当部門では,遺伝子工学,生殖工学といった手法を用いて,ヒト疾患モデル動物としての遺伝子改変ウサギの開発に関する研究を中心に行っています。ヒト疾患モデル動物とは,「人の病気と同一,もしくは類似の病態を持った動物」であり,医学研究において,病態解明,診断法の確立,治療法の開発といった研究に非常に有用な役割を果たしています。特に,ウサギはヒトと脂質代謝系が類似していることから脂質代謝異常,動脈硬化の研究分野でその有用性が注目されています。我々は,これまでに作出した遺伝子改変ウサギを用いて,実際に動脈硬化や肥満といった生活習慣病の病態解析などの研究に寄与してきました。近年では,遺伝子改変ウサギの開発だけではなく,遺伝子改変ウサギも含めて広くヒト疾患モデルウサギを研究資源として保存・分与を行うウサギバイオリソース拠点形成を目標に,ウサギ精子や胚による凍結保存に関する研究も行っています。
佐賀大学 研究室訪問記2011(94ページに関連記事掲載)
ヒト疾患モデルとしての遺伝子改変ウサギの開発と医学研究への応用
ウサギ精子および胚の凍結保存に関する研究
学習要項
近年では,遺伝子工学や発生工学技術を利用して遺伝子の働きを亢進したり,欠損させたりした遺伝子組換え動物の開発が盛んに行われています。我々の研究室でもこれらの技術を利用して医学研究において病気の原因解明や治療法の開発のために必要な疾患モデル動物として遺伝子組換えウサギの開発を行っています。ウサギは脂質代謝系がヒトに近い事から,動脈硬化や肥満といった病態解明に非常に有用なモデル動物となる事が期待されています。我々の研究室では,遺伝子組換え動物の作成技術や胚操作技術,作成した遺伝子組換え動物を研究資源として保存するための精子や胚による凍結保存技術の習得が可能です。また,実際に開発した遺伝子組換えウサギを用いて動脈硬化や肥満の病態解明の研究にも取組んでいます。
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